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現役の声優が語る 声優の世界に入ったきっかけと仕事の実態

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ここ数年、なりたい職業ランキングで上位に位置する声優。はたして声優とはどんな職業なのか。そして声優になる為にはどんな方法があるのでしょうか?

今回は、現在、声優を目指している方、これから声優を目指す方へ向けて、現役の声優さんにその実態験を話してもらいました。

 

現役の声優さんの話が聞ける機会ってあんまりないから、貴重だょ~

 

 

 

 

私が声優の世界に入ったきっかけ

まずは、私が声優の世界に入ったきっかけについてお話しましょう。

あまりないケースだと思いますが、人生、思いもよらないことが起こるものなんです。

 

めずらしいケースってどんなケースなんだろう?ワクワク・ドキドキ

 

~それは「まず芝居勉強しなよ」から始まった~

声優になるには事務所の養成所に入って所属を目指したり、専門学校へ入って事務所のオーディションを受けるなど様々な方法がありますが、私の場合は少々特殊なケースでした。

当時(今から15年ぐらい前の事です)、私は事務所の養成所に所属してエキストラをしていました。

と言っても声優の事務所ではなく、いわゆるドラマなどをメインに顔を出して活動する俳優やタレントが所属する顔出し系の事務所でした。ただお金を払えば誰でも入る事が出来る養成所です。

仕事と言えばドラマのエキストラだけ、オンエアを観ても自分がどこに映っているのかもわからないような仕事ばかり。でも仕事を振ってもらえるだけでもありがたいと思いながら現場に行っていました。

そんなある日、ドラマのエキストラの仕事で、待ち時間を休憩所でボーっと過ごしていたら、ドラマの主役をしていた某有名な俳優さんが休憩しに来たのです。

そして、なんとエキストラ如きの私に話かけてくれたのです。

私が、「芝居には出ているけど、ただのエキストラです」と言うと

俳優さん 「エキストラでもカメラの前では同じ役者だよ。まずは芝居を勉強しなよ。劇団でもなんでも入って勉強しなよ。」

といってくれたのです。

そして、その一言が私の人生を変えたのです。

 

~劇団へ~

俳優さんの言葉に押され、エキストラをやっていても意味がないとわかった私は、その後、すぐに所属していた事務所の養成所をやめ、芝居の勉強をするため劇団を探しました。

探し方もわからなかった私が選んだのは、オーディション雑誌。

「研究生、1期生募集」と書かれた劇団を見つけ、応募し、無事合格しました。

実は、この劇団の主宰が声優業界でトップクラスの人だったんです。

 

~なぜか放送作家に~

研究生になったはいいけど、同期は皆、芝居経験者だらけ。

あれよあれよと同期が役をつかんで公演に出演していく中、私だけが取り残されてしまいました。

そして、やけくそになった私は、台本を書く事を思いつきます。

で、それが見事に的中!私の台本の舞台は大成功!

さらに、その舞台を見に来ていた主宰の知り合いの某テレビ局プロデューサーに勧められ、私は放送作家になったんです

 

~いよいよ声優デビューへ~

これをきっかけとして様々な番組を担当させていただいていたある日の事でした。

ウチの劇団の主宰が所属する声優事務所から「ウチの事務所に入らないか?」と連絡をいただいたんです。

そして事務所に所属して数か月が経ったころ、突然社長が私の前でこう言ったのです。

「ウチは、声優事務所だから放送作家だけじゃなくて声優もやってもらうよ。アンタ明日声優デビューね。はい、これ台本。」

これが私の声優デビューのいきさつです。

某有名俳優さんの一言から劇団に所属。そして台本を書き舞台デビュー。でもって主宰のおかげで放送作家デビュー。そして声優事務所に所属した流れで突然声優デビュー。

ウソのような話ですが、私が声優の世界に入ったきっかけはこんなんでした。

かなり特殊な事例だとは思いますが、こんな形で声優みたいな事もありえます

 

余談ですが、何も知らない素人野郎の声優デビューは散々でした。

二度と声優なんかやるもんかと泣きそうになりながら家路を急いだ記憶があります。

 

信じられいない!こんな事ってあるんだね~。でも、それぞれのタイミングで諦めずチャレンジしたからチャンスが来たような気がするなぁ…

 

声優の仕事内容

 

次に、声優の仕事の内容について、具体的にお話してもらいましょう

 

~声優は俳優であり役者である~

私は極々たまに声優の専門学校に講師としてお邪魔させていただくことがあるのですが、そこでまれにこんな事を言う学生さんがいます。

「演劇の授業って声優にとって何の意味があるんですか?私(僕)、俳優じゃなくて声優になりたいんですけど。」

声優も俳優も同じ役者です。

声優も俳優だし、俳優も声優、区別なんかありません。体を使って演じるのも声を使って演じるのも演じる事に違いはないのです。

つまり「声優業=俳優業=役者」なのです。

皆さんが目指しているのは「役者」であると言う事を忘れないでください。

 

~アニメ・洋画の吹き替え・ナレーション・必要な要素は?~

声優の仕事は「アニメ」・「洋画の吹き替え」・「ナレーション」など多岐に渡りますが、どれも同じと思ったら大間違いです。

例えば「アニメ」の場合、ちゃんとした映像(絵がしっかりできている)に声をあてられるなんて事はほぼありません。

「アニメ」は大体が線と矢印など、ほとんど何も絵が出来ていない状態で収録します。

では線と矢印に対してどのように声をあてるのでしょうか?

ここで登場するのがボールドと呼ばれる吹き出しです。

あなたの役名が「A」だったとします。

その「A」が喋るシーンになると『A』と画面に映し出されるわけです。

その『A』が映し出されたら喋りだし、消えたら喋るのをやめる。

「アニメ」はこのよう録音していきます。

その為、「アニメ」は「瞬発力」、そして絵が出来ていない状態での収録になるので「想像力」が物をいいます。

また「外画(洋画の吹き替え)」では、映像が出来ているので想像はしやすいのですが、無音でボールドを見てあわせるアニメと違って、原音(海外の役者さんの声)を聴きながらの作業になります。

したがって声を出すタイミング、ブレスの箇所、喋り終わるまでを耳で感じながら声を発して演技する、という難易度の高い作業が求められます。

これはもう慣れるしかありません。練習あるのみです。

 

私がオススメする練習方法は、TV放送している「洋画」を録画して、原音を聞きながら字幕を声に出して読むことです。

DVDの日本語字幕は、ほとんど口が合わないのでオススメしません(吹き替えで喋っている日本語と字幕の日本語が違う為)。

 

「ナレーション」は、演技うんぬんではなく視聴者に何を伝えるのか、番組の趣旨をディレクターさんとどれだけ共有できるかにかかってきます。

喋るタイミングも、Qランプという赤く光るライトが光ったら喋る場合や、自分のタイミングで喋る場合など様々です。

また原稿も当日その場でもらう事が多いため、臨機応変に対応できる力、「柔軟性」と「経験値」が求められます。

他にもゲームやCDドラマにラジオにイベントなど仕事は色々ありますが、主に上記の三つが直結しています。なので、この三つを制すれば業界を制すと言っても過言ではありません。

 

アニメ・外画・ナレーション、それぞれ必要な要素は違うんだね。めっちゃ参考になる

 

体力面や収入面で困った事

 

他の職業でも言えるかもしれませんが、声優の世界も最初は声優の仕事だけでは生活できません。

ですからアルバイトをしながら活動してくことになります。

ただ、事務所はアルバイトの事なんて全く考慮してくれません。

突然、「明日オーディションが入りましたから行ってください」ということだって普通にあります。

生活のため、バイトを優先したいところですが、そうすると、声優としての道を断たれる可能性もあります。

そのため、私も含め、多くの人が深夜のアルバイトをしています。

深夜から朝まで働いた後にそのまま終日収録…辛いです。

でも、生活するためには働かなくてはいけません。

声優になるには、このような辛い生活を乗り越えられるだけの根性と覚悟があるかが重要になってきます。

 

ねむ・・・覚悟があるかと聞かれると、即答できない。。。

 

声優を目指す人へのアドバイス

 

次に、声優を目指している人にいくつかアドバイスをしましょう。

少しきつい事も書いていますが、先輩からの精一杯の愛だと思ってください。

 

はい!先輩からの愛をしっかり受け止めます

 

~声優は不安定な職業~

 

さきほど、根性と覚悟が必要と書きました。

でも、根性と覚悟があっても、誰もが声優で生活できるようになるかというとそうではありません。

また軌道に乗っていたはずの人も翌日から仕事がゼロになったりもします。

私も突然仕事がゼロになり、路頭に迷った経験があります。

その逆に、仕事がゼロだった人が翌日から売れっ子の仲間入りなんてこともあります。

どこでどうなるか全くわからない不安定な職業、それが声優です。

 

~あきらめるなら早い方がいい~

若いうちは体力があるからまだいいですが、年を重ねるとアルバイトと声優業の掛け持ちは本当にキツイです。

また声優を諦めても、年がいってると就職も難しいでしょう。

一生アルバイト生活なんて悲しい事も大いにありえます。

生命保険もなければ社会保険もない。あるのは夢だけ。夢だけで食べていけません。

だからこそ、難しいと感じたら早めにあきらめた方がいいと思います。

若ければまだ他の道があります。

 

~仕事をもらう方法~

私は特殊な形で突然仕事が舞い込んできましたが、普通は事務所に所属するなり養成所に入るなりしてマネージャーから仕事をふってもらう流れになるでしょう。

とはいってもすぐに仕事が来るわけではありません。

それは当然です。なぜなら、マネージャーは、貴方の事をほとんど知らないのですから、仕事のふりようがありません。

では、どうしたらよいのでしょうか。

まずは自分が自分のマネージャーになってください。

事務所なり学校なり養成所なりで自分をアピールするんです。

自分を知ってもらう為には、いろいろな所で自分を売り込むしかありません。

声優になりたいのならば、自らアピールする場に出向かないと一生仕事は来ません。そうして一人ずつ自分を知ってくれる方を増やしていく。それが声優になる為の第一歩です。

 

仕事をもらうきっかけは人ぞれぞれです。

私の友人には、声優陣が出演する舞台のキャストオーディションに沢山応募して多くの舞台に出演することで仕事をゲットした者。

専門学校時代に、学校でオーディションを受けてアニメが決まって声優デビューを果たした者。

また、アルバイト先の常連に某事務所のマネージャーさんがいて、その流れで所属し、仕事をゲットしたなんて友人もいます。

自分をアピールして自分を知って下さる方少しずつ増やしていけば、いつか必ずマネージャーにも自分を知ってもらえます。

知ってもらえたら次は応援してもらえるようにしっかり精進すれば仕事は増えていくと思います。

 

~継続して仕事をもらうための努力を怠らない~

私が初めてアニメのレギュラーをいただけたのは舞台がきっかけでした。

ですが、このように自分をアピールして仕事が増えていったとしても、たった一回のミスであっと言う間に仕事はなくなります。

我々の仕事は一発勝負。その一発をはずさないためには日々の努力(鍛錬)が必要不可欠です。

また事務所によっては、所属または準所属もしくは預かりとなってから何年間かは舞台に出演してはいけないなどの規約がある場合もありますので、そういった事も踏まえて事務所ないし所属先を探していただきたいと思います。

 

~ワークショップやボイストレーニングなどに出向くのも手~

インターネットなどで調べると、ボイストレーニングやワークショップが至る所で定期的に開いています。

現場をあまり経験したことがない人は、実際にマイクの前で声をあてるワークショップが効果的だと思います。

演劇系・声優系のワークショップにいくもよし、体を動かすワークショップにいくもよし。

自分に合いそうなところを選んで出向いてみるのも一つの手だと思います。

 

~お金をかけないでトレーニングする方法~

これは実際に私が行っていた方法です。

私は現場に出ている友人や劇団の同期、または先輩の家で台本をみせてもらいました。

DVDなどが出ている作品であれば、その作品をレンタルして本番さながらに練習できる上、タダで友人や先輩からアドバイスまでもらえちゃう、これはお得です。

オンエアされてない作品の台本などを第三者にみせたりする行為はNGなので、もちろんオンエア後の話です。

せっかく掴んだ仕事をなくさないために日々の努力(鍛錬)は欠かさないようにしましょう。

 

中途半端な気持ちでは、プロの声優にはなれないことがよ~くわかりました。気持ちを引き締めますっ

 

声優の仕事をどう思うか

 

私は元々声優になろうと思ったわけではなく、何故か声優になってしまったのですが、そんな私からみても声優と言う職業はとてもやりがいのある職業だと思います。

ただ今でこそ、やりがいのある職業と言えますが、駆け出しのころは辛くて毎日泣いてました。

3年ぐらいは本当にキツかったです。それからちょっとずつ現場で対応できるようになってきました。

皆様も、まずは3年を目途に考えてみてはいかがでしょうか?

まず3年間声優を目指してみる。そこで声優になれれば、そこからまた3年業界で勝負してみる。といった形で自分なりの道を歩んで行ってほしいと思います。

今はなにをどうすればいいのかもわからないかもしれませんが、声優になるという目標に向かってしっかり歩いていけばきっと光が射す時が来ます。

その光が射す方向へ歩いて行けばいつしか貴方も声優になっています。

大丈夫。「声優になる」と思えば必ず声優にはなれます。

私もまだまだ頑張ります。共に精進していきましょう。そしていつか、現場でお会いできたら嬉しいですね。

女性声優
この方が声優になったきっかけはとてもめずらしいケースですね。でも、どういうきっかけで声優になったとしても、その厳しさとなってからも研鑽が必要なのは同じです

 

声優になるには、やっぱり声優養成所やスクールがおすすめ

体験談を語ってくれた現役声優さんの例は、とてもレアケースだと思います。

確かに人生何が起こるか分かりませんから、ひょんなことから声優の道がひらけることもあるでしょう。

でも、そんな偶然を待つことはオススメできません。

声優を目指すなら、声優になるなら、やはり声優養成所やスクールに通うのがおすすめです。

声優養成所に行くことで、声優になるための発声の基礎から表現力・演技力、プロとしての心構えを学ぶことができます。

さらに、学校によってはプロダクションとの連携があり、オーディションを受けるチャンスもあります。

声優になるための確実は道は、やはり声優養成所やスクールなのです。

 

女性声優
私の周りの声優仲間も、声優養成所出身者が多いですよ

 

おススメの声優養成所

最後におススメの声優養成所を紹介しましょう。

日本ナレーション演技研究所(日ナレ)

「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。

6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。

気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。

日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。

能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。

【ジャンル】声優養成所

【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台

【期間】1年~

【費用】

・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円

・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円

・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円

※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください

【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等

 

\資料請求は無料/

日ナレ 公式サイト

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